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 「御用聞きと言うと、昔は自転車などで、一軒一軒回り,酒や米や醤油といった、運ぶのに

  苦労する重いものを中心に、注文を受けたり、届けたりしていたものです。

  しかし、スーパーマーケットやコンビニエンスストアーに押されて個人商店が消えていく

  と、ともに、御用聞きの姿も見かけなくなってしまいました。人件費も高くなり、御用聞きを

  雇っていては採算がとれなくなったことも、衰退に拍車をかけたようです。

  採算がとれないのは今も変わりませんが、個人商店の考え方は変わりました。

  「店を開けていれば、お客は来るといった、いままでの、待ちの姿勢では、商売は廃れるばかり。

  地域のお客さんとの、つながりをもっと大切にしよう」と反省する経営者が増え、商店街振興

  組合などが中心になって「出血覚悟」で御用聞きの復活に取り込み始めたのです。

  さすがに自転車で一軒一軒回る余裕はありませんから、現代版の御用聞きは電話やインターネット

  を活用します。趣旨に賛同する商店の商品を集めてカタログをつくり、地域の家庭に配り

  カタログから商品を選らんでもらって電話やネットで注文を受け、まとめて宅配するシステムです。

  それでも外出の難しいお年寄りや傷害のある方、子育てに追われたり時間を有効に使いたいという
                                                                                         
  主婦などに「自宅まで届けてくれるだけでもありがたい」と喜ばれているようです。

  地域サービスですから、多くの場合、配達区域は商店から1,5キロ以内位の近場です。商品代金

  とは別に配達料が300円ほどかかりますが、「顔見知りの人が商品を届けてくれる安心感からか

  常連客もふえている」と関係者は手ごたえを感じているようです。牛乳配達業者も御用聞きのよさを

  大切にしています。スーパーなどで手軽に大容量のパックの牛乳が買えるようになり、毎日の牛乳配達

  を頼む家庭が減り、そこで朝が基本だった配達時間を昼間に変えて直接手渡しにし、ついでに

  ヨーグルトなど他の乳製品の注文も受けることにしたところ、これが高齢化や健康志向の高まりを

  背景に大成功。口こみで評判を聞いた人が新たに牛乳の宅配を契約してくれるケースも増えてきた

  といいます。町の電気屋さんでも顔見知りのお年寄りに電球の交換を頼まれ、これもサービスだと

  出向いてやってあげたら、悪いからとテレビを買い替えてくれたなんてこともあるそうです。

  御用聞き復活に注目する社会学の専門家は「個人商店は地域とのつながりを保ちたい一人暮らしの


  お年寄りなどにはかけがえのない存在。知り合いが見守り合う地域社会作りを目指すためにも

  行政が補助金などをだして、こうした動きを支援するべきだ」と提案しています。もっとも同時に

  「あまり御用聞き、宅配システムに依存すると、ほとんど外出しなくなり、ひきこもり状態になって

  しまうので、元気なら配達は重いものだけにして、散歩のつもりで商店街をあるくこともしてほしい」

  と話しています。 店頭と宅配をうまく使い分けるのが、賢い現代版御用聞き活用法と言えるでしよう。
     
           
         
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